LP432菌研究レポート

モンゴル伝統的乳製品から分離した乳酸菌LP432株

モンゴルは昔から乳文化が発達しており、戦後日本に入ってきた西洋の乳文化とは一味違った伝統が引き継がれています。そこで、私たちは、モンゴル科学技術大学とモンゴルバイオテクノロジー協会と共同でモンゴルの伝統的な乳製品からプロバイオティクス乳酸菌を探索することにしました。

LP432菌(走査電子顕微鏡(SEM)写真) モンゴルの草原風景

LP432菌は生きて腸まで届くプロバイオティクス乳酸菌です。

LP432菌が、胃酸に耐え胆汁酸にも耐え、腸壁にくっ付くことをモデル試験で確認しました。また、ヒトの便の研究からLP432菌が便中で元気に生きていることを証明しました。

数々の乳酸菌の中でも、生きて腸まで届く乳酸菌は一握りです。私たちはモンゴルの乳製品から約2,000株の乳酸菌を選び出しましたが、プロバイオティクス効果のある乳酸菌は約20株でした。その中でも、選りすぐられた乳酸菌がLP432菌なのです。

モンゴルの伝統的乳製品由来乳酸菌のプロバイオティクス性に関する研究、Animal Science Journal, 2011, 82(4), 571-579にて報告【PDFファイル:46KB】

LP432菌は、小腸に入ると免疫効果を発揮することを確認しました。

免疫反応によりNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性化を促します(マウスの実験より)。
どの乳酸菌にも免疫力を高める効果があると思われがちですが、実際に研究すると免疫効果がある乳酸菌は一握りであることが分かりました。LP432菌はその中でも、選りすぐられた乳酸菌です。

マウスをヒト型インフルエンザH1N1型に感染させたとき、普通のマウスは死んでしまいますが、LP432菌を与えると軽い症状で済むことを発見しました。この効果は免疫力が高まったためと考えています。

モンゴル発酵乳由来プロバイオティクス投与によるインフルエンザ感染マウスへの効能、International Immunopharmacology, 2011, 11(12),1976-1983【PDFファイル:68KB】

LP432の抗アレルギー作用について

3種類のI型アレルギーモデルマウスにおいて、事前にLP432菌を与えるとアレルギー症状の発症が抑制されることが認められました。この効果は、LP432を摂取した事により、体内の免疫系が強化され、アレルギーの症状が発症しにくくなったためだと考えています。

モンゴル発酵乳由来プロバイオティクス投与によるI型アレルギーモデルマウスへの効能.pdf

LP432のヘルペス発症抑制について

単純ヘルペスウイルス1型感染モデルマウスにおいて、事前にLP432菌を与えるとヘルペス症状の発症が抑制されることが認められました。この効果は、LP432を摂取した事により、体内の免疫系が強化され、ヘルペスウイルス感染の抑制もしくは感染後のヘルペス発症の抑制へと反映されたためだと考えています。

LP432菌はピロリ菌の増殖を抑制します。

LP432菌とピロリ菌を同じ試験管内で培養したところピロリ菌の増殖を抑え、48時間後にはピロリ菌数を100分の1にまで減少させることができました。
 また、ヒト胃上皮モデル培養細胞株を用いたピロリ菌接種による炎症をLP432菌は抑制する可能性も確認されました。

このようにLP432菌は様々な機能性を有するマルチファンクショナルな乳酸菌であると言えます。これからもLP432菌のさらなる機能性の研究と、モンゴルには他にも同じような機能性を持つ乳酸菌株がいる可能性も秘めているため、引き続き地元大学と研究を進めていきたいと考えています。

 

用語について

プロバイオティクスとは

抗生物質(アンティバイオティクス)に対する造語で、イギリスのフラー博士(1989)による定義では、「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物菌体」とされています。腸内フローラとは、消化管内に生息している微生物群のことを「お花畑」にたとえた言い方で、ヒトでは100種100兆個の微生物(主に細菌)より構成されていると言われています。外から乳酸菌やビフィズス菌などの生きた有用微生物を摂取することによって、有害な微生物が抑制され、健康に好影響がもたらされると考えられます。

最近、生きた微生物菌体のみならず、それを含む食品もプロバイオティクスと呼ぶことも提唱されています。

プロバイオティクスに期待される効果としては、便秘および下痢症の改善効果、乳糖不耐症の改善効果、免疫機能改善による感染防御・アレルギー防止効果、動脈硬化予防効果、抗腫瘍作用などがあります。

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